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オバマ VS ロムニー 2012年米大統領選挙で、SNSはどう使われたか?

アメリカ大統領選挙

4年に一度の大統領選挙。次期アメリカ大統領を決めるため、両党で激しいネット選挙戦が繰り広げられ、SNSの活用も2008年度とは比べものにならないくらい最大限に活用されている。
ネット選挙とはインターネットを選挙に利用すること、またはより広くインターネットのウェブサイト上に選挙に関することを記すことなど選挙におけるインターネットの活用を言う。(引用Wikipedia)
ケネディ大統領が大統領になれたのがテレビだとすれば、オバマ大統領はインターネットのおかげで就任できたという。ここでは、インターネット選挙を通して、民主党オバマ大統領と共和党ロムニー氏のネット活用度を比較してみよう。(以下敬称略) ここではわかりやすく、オバマとロムニーとしているが、実際のSNSのアップデートやコメントは、それぞれの選挙活動のネット専門家、内部の人間、もしくは有力なサポーターによってなされていることを、念頭においてみて欲しい。実際大統領候補がコメントを残したり、ツイートするのは極まれなケースだ。

1.facebook

いわずと知れた、世界最大のSNS。写真やコメントを友人同士で共有できる。facebookのトップページのlike数は、自分がいいね!と思ったものを評価して、友だちと共有するボタンだ。 さて、2012年10月27日(土)午後1時現在(米時間)で
オバマ 31,436,838(約3143万) likes
ロムニー 10,944,407(約1094万) likes
を獲得している。一国の大統領の地位を争うだけあって、それぞれのプロフィール欄には学歴、職歴、実績がぎっしりと列挙されていた。

オバマ

TOPページで、下記のように記載。 ホワイトハウスの権限をアピールしている。 Contact Infoの欄には自身のHP(http://www.barackobama.com/)とホワイトハウス(http://www.whitehouse.gov/)を記載。ホワイトハウスの権限は大統領にあることを強く訴えている。

ロムニー

一方でロムニーはTOPページには同じく自身のHP、それ以外にTwitterのフォローを呼びかけていた。

両者のlike数の増加

大統領決定を翌日に控えた両者のlikes数をもう一度見てみよう。 調査日11月5日(月)米時間22時 426,320likes (10月27日から42万3201人)増加 1,055,292likes (10月27日から105万3292人)増加 結果ロムニーの方がlikeの数は急激に増えていたことが分かった。 といっても、オバマとロムニーの両方にlikeすることができるし、オバマ氏は4年間大統領をつとめたので、元からのlike数も多いはず。アメリカ国民のみならず、全世界にfacebookを大公開しているので、誰が押しているのか分からない。同一人物がアカウントを複数もっていることもあり得る。だが、大統領候補ロムニー氏の知名度は確実に上昇していったといえるだろう。 最後にもう一度、開票日のlikes数を記載する。 調査日:11月6日(火)米時間23時 440,727likes ↑(11月5日から44万727人)増加 136,436likes ↑(11月5日から13万6436人)増加 1日にして、likesのクリック数は莫大なものだ。しかも、今度はオバマ大統領が、ロムニー氏の3倍以上のlikeを獲得している。世界中からの支援度合を意味するのか。それとも、参加していなかったアメリカ国民からの励ましの声なのか。

2.Twitter

では、つぶやきのツイッターではどうか。(11月3日) <オバマ> <ロムニー> 「FOLLWERS」とは自分が他のユーザーにフォローされている数。 「FOLLWERING」とは自分がフォローしている他のユーザー数。 オバマ氏にはミッチェル・オバマ夫人、ロムニー氏にはアン・ロムニー夫人とそれぞれ妻も参戦。オバマ氏が2100万を超えるフォローワーをもつのに対し、ロムニー氏は約165万と大差がある。つぶやくことで、すぐにそれに対する反応が見られることが特徴だ。 ツイッターの「ポリティカルインデックス」ではオバマ大統領とロムニー氏の日ごとの人気度を示している。それぞれの候補者について良いとつぶやけばつぶやくほど、スコアが高くなるというシステムだ。11月6日、大統領選挙開票日米時間午後5時の時点では、ロムニーが56なのに対し、オバマは66ポイントを獲得している。ただし、この評価は毎日急激に差が付いたり、僅差になったりするので、把握が難しいところだ。

3.YouTube

YouTubeにはそれぞれ、オバマチャンネル、ロムニーチャンネルがあり、アメリカ国中のキャンペーンの様子を伝えている。動画で配信とだけあって、それが吉と出るか凶と出るかは別れ道だ。オバマソングを作って、オバマ大統領をアピールし一躍有名になったシンガーもいれば、隠しカメラでロムニーの「47%の人が所得税を払っていない」報道がYouTubeでなされたり、テレビと同じ役目を果たしている。テレビがない人は、ポリティックスチャンネルで内容をカバーできる。

その他SNS

下記4つのSNSは日本ではまだあまり知られていない。だが2人の候補者はその使用頻度はさておき、活用はしている。

●Tumblr(タンブラー)

自分でブログを簡単に作れるほか、記事を集めるスクラップ機能を備えている。

●Foursquare(フォースクエア)

GPS機能を利用し、店を訪れる際自分でチェックインをする。過去、チェックインした人も分かる。チェックインの回数によって、お店から、お得意様ということで、サービスが受けられる。Facebookのチェックイン機能をさらに拡大したもの。深夜のテレビ出演や全国のスピーチでオバマ陣営の動きをトレースするのには役立つ。両者とも最近始めたばかりなのか、あまり活用はしていない。

●Pinterest(ピンタレスト)

イメージとしてはアルバムを作る感じ。インターネット上の画像や動画を簡単に自分のボードに貼り付けられる。(pin=ピン) またボードを共用できて、他のユーザーの写真で気に入ったものがあれば、自分のボードに貼り付けができる。(ripin=リピン) ピンタレスとはアメリカの女性のあいだで、大ヒットしているため、候補者自身よりも、候補者の奥さまのアップデートが目立つ。例えば、アン・ロムニー夫人の場合は、彼女の子どもや、孫、アメリカの国旗のようにみえるデザートの写真など。一方ミッチェル・オバマ夫人はすでにアン夫人の4倍のフォロワーをもっており、肥満防止への取り組みのため、黒豆や、フェタチーズ(ギリシャ産のヤギのチーズ/英辞朗)を使ったレシピを取り上げている。

●Instagram(インスタグラム)

ツィッターが言葉であるのに対し、こちらは写真共有がメイン。フォローした人の写真が流れてくる。

米国内の分析記事紹介

さて、ざっと紹介したところで、もう少し内容を詰めてみるとしよう。 ピューリサーチセンター(ワシントンを基盤とするアメリカのシンクタンク集団。アメリカや世界のトレンドや議題を提供している。)は2人のSNSの活用度を具体的に図式化している。ただ、この発表が2012年8月15日付で、データーが6月の情報であるので、最新の情報ではないことをあらかじめ断っておく。

1.YouTubeとfacebookの平均アクティビティ数

調査期間(6月4日から17日) 上記はfacebookとyoutbeのそれぞれのアクティビティの平均数をグラフ化している。グラフからも一目瞭然だが、オバマ側に軍配があがっている。この2週間の調査で、オバマが111万のlikeを得たのに対し、ロムニーは約半分の63万5千likeしか得られなかった。 YouTubeではオバマが80万以上のコメント、like、dislikeを獲得しているのに対し、ロムニーは、同じく約半分の40万の反応があった。両方ともビデオは投稿後2日以内で、おおざっぱにいえば、4万回再生されている。桁外れの視聴率だ。 面白いのは、YouTubeで最も多く再生されているのは、オバマでもロムニーでもなく、ミッチェル・オバマ夫人の「Happy Father’s Day from First Lady Michelle Obama」であった。 大統領のオバマではなく父親としてのオバマが国民にとっては、新鮮な印象を与えた。普段と違った側面を見せることで、視聴者を引きつけるのも納得がいく。見ていてほほえましい気持ちになる。

2.各ホームページの違い

4年前と比べ、2012年度のオバマのホームページの変化はその内容とニュースフィードを人物の場所に適応させることだった。地理、言ってみればGPS機能を発展させることにより、ユーザーとの交流をよりカスタマイズ化させた。それだけでなく、18の異なる選挙グループ(※1)に参加することで、それぞれのグループを対象としたコンテンツを受けとれるようにした。(exアフリカ・アメリカンや、女性、LGBT(※2)、ラテンアメリカ系、退役軍人/軍の家族もしくは若者などのようなグループ) だが、ロムニーは、オバマのようなグループにむけて作成することはせず、異なる方法で対策に乗り出した。6つの有権者のページをつくり、(のちに3つ増加)ユーザーがそこからページを選択できるようにした。オバマとは違い、ユーザーはグループに加わって、そこからコンテンツを受けとることはなく、むしろユーザーは、専用のページにはいっていき閲覧、ページも頻繁には変わらなかった。
  • ※11月現在ではロムニーのホームページにもグループに加わるようにJOINの項目があった。そのため、後にグループ参加型になった可能性もある。

3.2008年、2012年の選挙戦 オンラインのサポートの変化

上記は、2008年オバマVSマケイン、2012年オバマVSロムニーのサポート数の変化を表している。(調査日:2008年9月9日と2012年7月31日)2008年度では、まだ下火であったYouTubeは2012年には爆発的な人気になっており、選挙活動には今や欠かせないものとなっている。オバマのサブスクライバー(ビデオの購読者)は、2倍以上になっているしfacebookに至っては2008年と比較して16倍ものサポーターがいる。 ピューリサーチセンターは「どうやって大統領候補はwebやソーシャルメディアを使ったのか。」をテーマに、調査を開始した。 その結果として、下記3点において全て、オバマ側がロムニー側よりも秀でていた。 1.候補者がどれだけ特別な投票グループ(会派)や国民に呼びかけたか 2.候補者がユーザーに対してどれだけの行動(ユーザーが候補者に依頼した行動)を起こしたか。 3.選挙戦のサイト上で市民の反応が目立ったか、取り入れられたか 候補者が直接ソーシャルメディアに顔をだし、市民との対話をすることは少ないが、1ファンがファンを呼び、グループをつくるかたちで、支援者数が巨大になっていった。Web専門家の力もあり、ロムニー側もピューリサーチセンターの過去のデーターには反映されていないネット上の追い込みをかけていた。だが、オバマはやはり4年前から培ってきたネット選挙の経験があり、対策をわきまえていた。 もちろんテレビ討論や街頭演説が、投票に大きく関わっていることは間違いない。だが、国民の心の声をネットを通して聞き、例え候補者自身でなくとも、それに答えてあげるかたちで、ファンは広がる。有権者同士が気軽に話し合える現代。 2012年度のアメリカ人口はWHOの発表によると、1位中国、2位インドに続いて3位の3億1038万4000人という。また、Socialbakerによる2012年11月5日現在のアメリカのfacebookユーザー数は1億6755万4700人。 全世界のfacebookのユーザ数は10億を超えている。 今から、4年後にはさらに事態は白熱しているに違いない。ネットを制覇した者が、勝利を得るといっても決して過言ではないだろう。

参考文献

Journalism.org http://www.journalism.org/analysis_report/engagement_citizens How the presidential candidates use the web and social media http://www.journalism.org/sites/journalism.org/files/ DIRECT%20ACCESS%20FINAL.pdf 8 ways to follow the Obama and Romney campaigns online http://www.tecca.com/columns/8-ways-to-follow-the-obama-and-romney-campaigns-online/ How to follow the 2012 election online using social media http://www.tecca.com/columns/romney-obama-facebook-twitter-youtube/ Wikipedia http://ja.wikipedia.org/ 総人口ランキング http://memorva.jp/ranking/unfpa/who_2012_population.php social bakers http://www.socialbakers.com/facebook-statistics/
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